伊勢住宅では、社員に持っていて欲しい資格、また社員が欲しい資格はたくさんあります。今回は設計に必要な「2級建築士」をご紹介します。
「建築士」はどんな仕事?
「建築士」は、個人や企業の依頼を受け、報酬を得て、建築物の「設計」や「工事監理」をすることができます。建築士には一級建築士・二級建築士・木造建築士の3種類ありますが、その業務範囲は建築物の規模などによって異なります。ニ級建築士は主に、住宅規模の設計や工事監理を行います。大規模なビルや商業施設など、一定規模以上の設計や工事監理は一級建築士しか行うことができません。
二級建築士の合格率は?
二級建築士の試験は、学歴や実務経験などの受験資格を満たした人のみが受験できます。合格率は例年20%前後と、国家資格の中でもやや難しい試験といえます。 学科試験は年度で難易度が異なるうえに、近年では初出題の問題が出題されています。
二級建築士試験の日程は?
建築士試験には学科の試験と設計製図の試験があり、学科の合格者のみ設計製図の試験が受けられます。設計製図の試験に合格した方は建築士免許申請を行うことができます。例年学科試験は7月第1週日曜日に行われ、8月の下旬に学科試験合格発表、9月第2日曜日に設計製図試験が行われ、12月上旬に設計製図試験の合格発表です。
二級建築士の試験は、学科の試験は出題科目が4つ(建築計画、建築法規、建築構造、建築施工)に分かれています。出題数は各25問で、計100問を午前3時間、午後3時間の合計6時間です。
建築計画(25問)
建築計画とは、「計画各論・建築史・環境工学・建築設備」の4分野で構成される出題範囲が広い科目です。難易度が比較的高い分野は、環境工学と建築設備に多いものの、基本的に過去問題と似た問題が出題されます。過去問題をくり返し解き、基本をしっかり身に付ければ得点を重ねられる科目といえるでしょう。
建築法規(25問)
建築法規では、8割ほどが「建築基準法」、それ以外は「建築士法・バリアフリー法」などが出題されます。建築基準法の出題傾向は、「用語の定義、手続き融合、用途地域、建築強度融合、内装制限、高さ・日陰制限」など出題範囲が広いのが特徴です。建築法規は、問題の選択肢に対応する法律文を建築基準法などが掲載された「法令集」から探し出し、選択肢の正誤判定をするという独特な問題です。法令集をいかに早く引けるかが合格のカギといわれており、建築法規に多くの勉強時間を割く必要があります。また、法令に関する問題だけでなく、「換気・構造強度(木造)・容積率・高さの制限」で計算問題が出題されます。法令集の引き方に慣れが必要ということもあり、建築法規は学科試験の中でも比較的難易度が高い科目といえます。
建築構造(25問)
建築構造は「構造力学・各部構造・材料」の3分野があり、構造計算の問題は難易度が高く、苦手とする受験生も多くいます。しかし、計算方法は公式が決まっているので、やり方を覚えれば得点源にすることも可能です。全体的に過去問題と似た傾向が高いので、苦手意識を持たずに対策するといいでしょう。
建築施工(25問)
建築施工は、「施工計画・各部工事・測量・積算・契約」の5分野から出題されます。25問中で8割以上は、施工計画と各部工事です。建築工事における準備段階から完成までの流れで、各工事の施工上の論点が出題されます。基本的に過去問題で対策できる科目ですが、近年は新しい傾向の問題が多く出題されています。過去問題で基礎を身に付けるとともに、応用力を意識して対策する必要があるでしょう。
設計製図試験はどんな試験?
設計製図試験の課題は、使用する人数や用途、建物の構造などを踏まえたテーマ形式で出題されます。近年では、事務所併設の住宅、カフェを併設した二世帯住宅、年代の違う家族がともに暮らせる三世代住宅など、より実践的な内容になっています。この課題を踏まえ、1階平面図兼配置図、2階平面図、2階以下床伏図兼1階小屋伏図、立体図、断面図といった要求図書を全て手書きで作成します。5時間の試験時間で仕上げる必要があるため、長時間の試験に耐えうる集中力が求められます。
二級建築士の資格取得のメリットは?
企業によりけりですが、二級建築士資格を採用の必須要件にしている企業もあれば、二級建築士資格を持っていることで優遇される企業もあります。例えば、ハウスメーカーやゼネコンは建築士資格を持っていて当たり前と考えられており、その結二級建築士二以上が採用の必須要件になっているケースが多々あります。二級建築士資格は優遇されるための資格ではなく、ボーダーラインに立つための資格ということです。一方で、建築資材の商社や不動産販売会社、リフォーム会社などでは二級建築士資格が優遇されます。