「自分にとっての天職はどんな仕事?」「天職を見つけて毎日充実感を得ながら働きたい!」と考えている方もいると思います。天職の本来の意味や適職との違い、天職の見つけ方についてご紹介します。
天職とは?
天職とは、自分の性質に合った職業のことです。「天から授かった仕事」を表すときに用いられます。具体的には、給与や待遇、周りの意見などに関わらず、心から充実感が得られ、生涯続けたいと思える仕事のことです。
日本で天職というと「この仕事のために生まれてきた」というイメージを抱くでしょう。しかし、ドイツの神学者であるマルティン・ルター氏が聖書を翻訳した際の「天職」の意味合いは異なります。天職は、ドイツ語でベルーフ(Beruf)と呼び「世俗的な職業」「神の召命」という二つの要素の意味合いを持つ言葉として知られています。「自分の職業を天職と考えて、日々ひた向きに働くことで神の救いの道に通じる」という考えの「天職思想」が宗教革命の時代に注目を集めていました。これが資本主義の精神へとつながっていると考えられています。
適職との違い
天職と適職は、混同されやすい言葉ですが、仕事に対するやりがいに大きな違いがあります。天職の場合、自分の性質に合う仕事を指し、やりがいや生きがいを強く感じます。一方、適職は自分にとって得意な仕事のことを意味します。そのため、適職は自分に「適しているか」「得意であるか」で判断をします。
天職だと感じるポイント
1.常にモチベーションを高く保てている
天職であれば心から楽しみながら続けられるため、モチベーションを高く保てます。具体的には以下の特徴があるため、向上心を高く保てるようです。仕事で失敗をして落ち込むこともありますが、それを糧に変えることができます。
- 常にポジティブに捉えられる
- 目標に向けて行動することができる
- コツコツと地道に努力することができる
- 学ぶ姿勢が身に付いている
- 失敗しても深く落ち込まない
2.働く意義を見出せている
自分が働く意義を見出せている人は、天職と出会えている可能性が高いです。天職であれば、上司から指示を受けたものだけをこなすのではなく、自ら何をすべきか考えて行動できます。「自分がどうしてこの職場で働いているのか」「誰のために何ができるのか」などを深く考えて行動に移せている人は、天職に就いている状態だと言えます。
3.楽しく仕事ができている
天職は自分の性質に合う職業ですので、心から充実感を得ながら働けます。仕事が楽しくて仕方がないという状態の人は、すでに天職に就いていると捉えられるでしょう。例えば以下に当てはまるなら、仕事と楽しく向き合えている状態だと言えます。
- 時間を気にせず没頭できる
- 仕事に対して不安や疑問を感じることが少ない
4.自分から行動を起こすことができる
天職に就くことができれば、自然に目標設定を行えるため、率先して行動に移せます。仕事を自ら積極的に取り、成果を上げられる傾向にあるので、まわりからの評価も高まるでしょう。仕事が楽しいと感じていると、必然的に仕事について考える時間が長くなります。その結果「自分がどのように行動すれば、より良い結果に結びつくのか」など意識せずに行動できている状態になるのです。
5.ずっと続けていきたいと感じている
天職に就いている場合、仕事内容に大きな不満がなく、生涯続けていきたいと感じることが多いです。天職であれば、労働条件や報酬、職場の人間関係などにあまり左右されず、やりがいを感じながら働けるでしょう。また将来に関する不安を感じにくい、自分で行動しなんとかしようとすることも天職に就いている人の特徴です。例えば「この仕事に将来性はあるのか?」「このまま続けていても良いのだろうか?」といった悩みがでてきても、自分で切り開こうと考えることができます。
天職が分からない・見つけられない人の特徴
自分にとってどの仕事が天職なのか分からない・見つけられないという方も多いと思います。ここでは、天職が分からない・見つけられない人の特徴をご紹介します。心当たりがあるなら、見直すことで天職を見つけられるでしょう。
天職に出会えていないと感じている人は、仕事をする上での優先順位を考えてみましょう。例えばどのようなことに対して、仕事を頑張りたい・続けたいと感じるのか考えてみましょう。
- 人に感謝されたとき
- 頑張りがお金として返ってきたとき
- 昇進できたとき
- 目標を達成したいとき
- チームでプロジェクトを遂行したいとき
- 尊敬する人に認められたとき
自分にとって満足感が得られるシーンが多くある仕事が天職と感じる可能性が高いです。
天職はすぐに見つけられるものでもなく、天職だと感じられるまでに知識や経験が必要な場合もあります。知識や経験が蓄積していくうちに、仕事での満足度が高まり、「この仕事が自分にとっての天職だったのか」と後に気づける人もいます。そのため現職がつまらないからすぐに辞めるという選択肢を取らずに、数ヵ月から数年続けてやりがいを見出してみるのも一つの方法です。
周りの目を気にしすぎて、天職に出会えていない可能性もあります。自分が「楽しい」「充実している」と思えるものがあるのなら、周りの目を気にせず挑戦してみると良いかもしれません。天職に就くことができれば、毎日充実感を得ながら心から楽しい日々を過ごせるはずなので、周りの意見も気にならなくなるでしょう。
天職の見つけ方
ここでは、天職の見つけ方を具体的に解説していきます。天職に就いて、楽しい毎日を過ごしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
自己分析を徹底する
徹底的に自己分析を行い、自分が心から楽しいと思えるものを見つけましょう。天職を見つけるのは、簡単なことではありません。実際に日本の会社員のうち、熱意を持って働けている人はわずか6%という調査結果があるように(※米ギャラップ社調査、日本経済新聞記事より)徹底した自己分析結果をもとに好きなことを探る必要があるのです。
「動物が好きだから動物園の飼育員が自分にとって天職だ」など簡単にはいかないこともあるため、しっかりと分析を行い、自分の価値観や考え方を深く理解しましょう。
- 自分がやっていて楽しいことを書き出す
- 「好きな要素」の分類を行う
- 共通点を見つける
自分がやっていて楽しいことは、思いつくままに書き出すことが大切です。新たな発見があるはずですし、この分析データを転職活動にも活かせるので時間をかけて挑戦してみてください。
自分の強みや得意なことを洗い出す
天職を見つけるために、自分の強みや得意なことを洗い出してみましょう。天職は、ただ好きなだけではなく、自分に向いているかどうか見極めることも重要です。自分の強みや得意なことに加えて、苦手なことややりたくないことも同時に書き出してみましょう。少し苦手だと感じる程度であれば、挑戦してみて最終的に極められれば天職になる可能性もあります。
好きなことは何かを考えてみる
自己分析を行い、好きなものの共通点が見つけられたら仕事に結びつくかどうかを考えましょう。また自分に適した仕事に関連するスキルも明確化しておきます。例えば子どもと遊ぶことが好き・歌を歌うと気分が晴れる・人の役に立ちたいといったものがピックアップされた場合、「子供」「歌」「人のため」といったキーワードから、保育士関連の仕事について調べてみると良いでしょう。資格が必要な仕事であれば、資格の取得難易度や期間などもリサーチしておく必要があります。このときに過去に学習したものや周りの意見などに囚われず、自由に考えてみてください。
将来のビジョンを明確にしておく
将来のビジョンを明確にしておくことで、いま自分が何をすべきかが見えてきます。将来のビジョンを見出す方法は以下のとおりです。
今回は天職の意味や適職との違い、見つけ方についてご紹介しました。天職に就くと仕事を趣味のように感じることができ、充実感を得ながら毎日楽しく働ける可能性が高まります。心から好きだと思える仕事に出会えるように、自己分析や将来のビジョン設計を試してみてはいかがでしょうか。