宅建試験は独学・通学・通信講座、おすすめはどれ?
宅建試験は、他の国家試験と比較すると確かに易しいのですが、それでも合格率が約15~17%であることを考えると決して楽ではありません。また宅建試験は出題範囲が広いため、効率良く勉強する必要があります。独学・通学・通信講座のそれぞれのメリット・デメリットを調べてみました。
独学
メリットは、なんといっても自分のペースで勉強を進められることです。かかるコストもテキスト代のみになるため、大きなお金も必要ありません。デメリットは、自分で学習方法を模索していく必要があるため、不明点の解消に時間がかかったり、モチベーションの維持に苦労したりします。
通学
メリットは、専門の講師から直接指導を受けながら勉強を進められることです。また宅建士を目指す仲間からの刺激を受けつつ勉強できるのも大きいです。デメリットは、学費が高額であったり、学校が自宅や会社から遠い場合は通学に時間を費やす必要があります。
通信講座
メリットは、十分に試験対策がされたテキストで学習できることです。またわからないところは、経験豊富な講師に気軽に質問できます。独学と通学講座のメリットをあわせもつのが通信講座です。費用も独学に比べるとかかりますが、通学と比べると低く抑えることができます。
宅建試験のそれぞれの科目の特徴は?
宅建試験の4つの科目について、それぞれ特徴を見てみましょう。
権利関係
理解力が問われる科目です。テキストを深く読み込んで、民法や借地借家法などの関連法律を正確に理解しておく必要があります。逆に言うと考え方を理解さえすれば解きやすく、数字の暗記などは少ない科目です。宅建試験においては、もっとも理解が難しく勉強に時間がかかる科目となります。
宅建業法
宅建試験において最も出題数が多く、宅建試験の中心となる科目です。宅建業法自体は読めば理解しやすく、勉強したら勉強した分だけ得点を重ねやすい科目です。ただし暗記すべき数字等の知識が多いので、それについては試験前に徹底復習するなどして、暗記を強化しておく必要があります。
法令上の制限
宅建業法と同様に暗記の科目となります。読めば理解しやすいですが、暗記すべき事項や数字がたくさん出てきます。宅建業法と同様に暗記さえしておけば、確実に得点を重ねることができる科目です。
税金その他
税金に関する法律のほか、不動産評価、土地や建物に関する知識、統計情報等に関する問題が出題されます。基本的には暗記の科目です。難問が出題されることもありますが、基本は覚えてさえおけば確実に得点できる科目となります。
こうやってまとめてみると、理解中心の科目と暗記中心の科目でに分かれることがわかります。なので権利関係の勉強は、考え方や法律の解釈を深く理解しながら進めましょう。他の科目の勉強は、読めばわかる条文が多いですので、理解自体はそれほど難しくはありません。暗記を強化しながら勉強を進めていくようにしましょう。
宅建試験のオススメのテキスト(問題集・過去問題集)は?
みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
Amazonの売れ筋ランキングで、1位を獲得し続けるテキストです。わかりやすい言葉で解説してあり、図解も多く見やすいため、初めて宅建を学習する方にはオススメです。また各項目には例題があり、学習した内容と関連した問題がすぐ解けるため、知識の定着に役立ちます。
らくらく宅建塾
「宅建独学者のバイブル」とも呼ばれるほどの合格実績を持つテキストです。他のテキストにはない講義形式の文章は、読む人の負担を減らし次々と読み進めることができます。図解やイラストも多く、見やすさも文句ありません。ラインナップが非常に多彩で、テキストや問題集、マンガなど全て含めると9つあり、学習をサポートする体制が整っています。
宅建士は「士業化」で何が変わったの?
不動産事業者において、5人に1人の割合で設置が求められる宅地建物取引士ですが、平成27年度に行われた宅地建物取引業法の改正によって、これまでは「宅地建物取引主任者」と呼ばれていた人たちが、「宅地建物取引士」に名称が変更となりました。これに伴い正式に弁護士や司法書士と並ぶ、いわゆる「士業」の仲間入りを果たすこととなりました。「士業化」されたことでより高度な専門性がこの資格にも求められるようになったのです。
士業化となったことで変わったこととしては、以下の事項が挙げられます。
【暴力団員を欠格事由とすること】暴力団員は宅建業者としての免許を受けることができなくなり、また宅建士としての資格登録も行うことができなくなりました。
【宅地建物取引士の業務処理の原則】宅建士は「購入者の利益の保護」と「円滑な宅地建物の流通に資する」ことで、公正かつ適正に業務を執行するということが、今回改めて明文化されることとなりました。
【信用失墜行為の禁止】「宅建士」の資格の信用性を自覚させ、信用を失墜させるような立ち振る舞いを禁止することとなりました。
【知識及び能力の維持向上】常に最新の法改正や制度などを把握し、宅地建物取引の専門家としてふさわしい知識・能力の維持を努力義務としたものです。
【従業者の教育という点が変化したこと】宅建士に限らず、不動産業界全体が社員の教育を行う旨を義務付け、不動産業界の適切化を図ることとしたものです。また、「宅建士」の士業としての質を担保するため、登録者講習では「宅建士の使命と役割」という科目が追加されています。