今回は、省エネルギー性能についてのお話です。まず、省エネルギー（略して省エネ）の意味や意義とはそもそも何でしょうか？

元来、省エネルギーとは石油や石炭、天然ガスなどの限りあるエネルギー資源が枯渇してしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことを意味しています。私達の社会生活は、電気やガスなどの「エネルギー」によって成り立っています。普段当たり前に使用している電気やガスですが、その大部分は石油や石炭、天然ガス、更にはウランなどの核燃料といった限られた資源から生み出されていいます。言い換えれば、石油や石炭、天然ガス、核燃料などの資源がなくなれば、私達の社会生活が成り立たなくなることを示しています。

特に日本はそのようなエネルギー資源を殆ど持たない国であり、その大半を輸入に頼っています。今回のロシアによるウクライナ侵攻から起きている世界的な資源価格の高騰が、日本に大きく影響を与えていることからも、より高い省エネルギー化を迫られています。また昨今、地球全体で重大な問題になっている温暖化対策として、二酸化炭素排出量削減のために化石燃料、特に石油や石炭の使用量の低減が強く求められています。即ち現在における省エネルギーは、エネルギーの安定供給確保と地球温暖化防止の両面の意義を持っているのです。

建築における省エネルギーへの取り組みについてですが、大きく二つの方法があります。一つは屋根・外壁や窓などの建物の外部に面する部分の断熱性能を向上させること。そしてもう一つは、空調・換気・照明などの設備的な部分での省エネルギー性能を向上させることです。では、建物の省エネルギー化で、そこに住む人へのメリットはどのようなものでしょうか。

室内が快適な温熱環境であることがまず挙げられます。お風呂に入る時に寒さのためヒートショックで亡くなる方は年間１万人を超えています。省エネルギー性能の高い住宅は、冬場において室内の熱が外に逃げにくいので建物内部全体が極端に冷え込まず、夏場は外の暑さを内部に伝えにくいので冷房も効きやすく、年中快適に過ごしやすい住空間になっています。更に、電気やガスの光熱費を削減することができるので、今の時世においては特に大きな経済的メリットになります。

住まわれるお客様には安全に快適で経済性の高い暮らしを実現していただきたい。同時に、限りある資源を有効に使い、温暖化防止に努め地球環境の維持を図ることは、全ての人類にとって必要なことです。これらの想いから、我々伊勢住宅は自社で作る新築戸建住宅において、省エネルギー性能の向上への取り組みを、重ねてまいりました。今年の１０月からは更なる性能の向上を掲げ、サッシにおけるLow-E複層ガラスの空気層を従来の乾燥空気から高性能ガスであるアルゴンガスにグレードアップします。

アルゴンガスは乾燥空気に比べて３２％熱伝導率を低減する（熱を伝えにくい）性能を持ち、結果として当社標準仕様での新築住宅の断熱性能等級が等級４（UA値≦0.87）から等級５（UA値≦0.60）に向上しました。電気・ガス料金が上がり続けている今の日本で、お客様のために何が出来るのかを考えての当社標準仕様のレベルアップです。如何にお客様に幸せに暮らしていただけるか、それが我々伊勢住宅が常に目指していることなのです。