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【住之江2丁目共同住宅・その1】

今年3月に完成した当社所有の【住之江2丁目共同住宅】の企画から完成までの流れを今日と明日2回に分けてお話します。

南海本線住之江駅から東に徒歩1分の駅近に、三面道路に面する好立地の広さ約180坪(後退部分約20坪)の土地を仕入れることができました。その土地をどのように利用するか、様々な検討を行い、結果として自社所有の賃貸マンションを建築することになりました。その企画から完成までに【住之江2丁目共同住宅】は、2年の歳月を要しました。

当社開発部が仕入れた時は、住宅が密に集まった雑然とした雰囲気の場所でした。戸建て分譲地として仕入れた土地でしたが、住之江という利便性が高い土地ということ、駅から徒歩1分という単身者が利用しやすい条件ということ、雑多な街並みを向上させ、近隣住民の方の生活を豊かにできること、それらのことから賃貸共同住宅を企画することになりました。

賃貸共同住宅を計画するにあたり一番重要なことが、どのくらいの室数を確保できるかでした。建築の計画において、前面道路の幅員は非常に大きな要素であり、狭い場合は道路斜線による高さ制限も厳しくなるので、階数が取れない場合があります。

この現場も西側道路が現状で約2.7m(道路後退して4.0m)という狭隘な道路で、道路斜線については天空率計算を駆使して、5階建ての高さを何とかクリアーできましたが、5階の西面外壁ラインを一部セットバックする必要が生じました。セットバックが必要な範囲は、2室分に及び、奥行きも0.9m小さくなる計算結果となったので、それであれば1室で大きく取る計画をし、バルコニーを広くしようと考えました。

天空率とは…天空率とは建築物を天空に投影し、平面上に正射影した場合の円の面積に対する. 空の面積の割合をいい、大きければ大きいほど空が多く見えていることを表します。

ただし、セットバックした壁の直下には梁型ができて、下階の天井の一部が下がってしまいます。それを防ぐために上階に梁型を出す逆梁とし、バルコニーへの跨ぎ高さも抑えるため梁幅を広げ梁成も小さくしました。結果として生じた梁型を利用して、窓辺でゆったり座れるカウンターを部屋の端から端まで作成したのです。

また、奥行き約2m×長さ約9mの広々バルコニーには、アースカラーの床シートを敷き、まるでカフェテラスのような素敵な空間をつくり上げました。

このように共同住宅計画に一番大事な収益の検討が行われ、初めて計画実行が決まります。

さて、この建物の下には長さ約10mの既成コンクリート杭が支持層まで打ち込まれており、上部構造を支えています。杭の上部には建物全体を面で支える厚さ250mmの底版が接し、更にその上に高さ約2mの地中梁が配置されている地下構造となっています。今回その底版から1階床までの高さ約2mの空間を利用して、メインとなる給排水やガスの配管、電気の配線を行いました。これが地下配管ピットの工法です。

地下配管ピット工法は、駐輪場の床に設置しているマンホールから入ることができ、将来メンテナンスが必要な場合も容易に工事をすることができます。

当社は建築の計画において、将来の維持管理対策も重要だと考えています。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。